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最後の手紙 リチャード・ポール・エヴァンズ

評価:
リチャード・ポール エヴァンズ
講談社
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(1998-11)
Amazonランキング: 583138位
Amazonおすすめ度:
これで物語は完結です。
心にしみる本

JUGEMテーマ:読書


あのリチャード・ポール・エヴァンズの「クリスマスボックス」3部作の完結編。実は、つい最近までこの完結編「最後の手紙」がある事を知りませんでした。しかも、もう10年ほど前に出ていたんですね。

第1作目の「クリスマス・ボックス」では、作者と思われる若い家族が、お金持ちの老婦人「メアリーアン・パーキン」の家に身の回りの世話をする為に住み込むところから始まる物語。そして、第2作の「天使がくれた時計」では若き日のメアリーアンとその夫で実業家のデイビッド、娘のアンドリアなどのパーキン家の物語。そして、本作はその後のパーキン家の物語になりますので、ちょうど第一作の前になります。

そのため、読み終わってすぐに第一作の「クリスマス・ボックス」を読み返したくなります。と、言うより、読み返しました。

小説の為、どこまで書いてよいのか分かりませんが、この3部作を誰に読んでもらいたいかといえば、第一作は小さいお子さんを持っておられる親御さんの、特にお父さんに。第2作目は、大切な人を亡くした方に。そして、この第3作目は真実の愛を探して途方にくれている方に。また、単独ではなく、せめて第2作から続けて読んでもらえればより理解が深まると思います。

本作の舞台は1930年代の大恐慌真っ只中のアメリカ・ソルトレーク。貧富の差が激しく、人種差別もまだまだ激しく、「黒人が白人の仕事を取っている」とリンチ事件が頻発しているような時代。

著者は家族や夫婦の「真実の愛」という大きなテーマの中に隣人愛も含み、前作から続いて差別問題に関しても大きく訴えています。

デイビッドの経営する会社でも不況のあおりを受け、レイオフの噂が出るや、「黒人のクビを切ればよいと進言してくる不届きな社員達が出てきますが、デイビッドはこう言い返します。

「黒人なら苦しまないんだよね。黒人の子は、きみたちの子とちがって、腹がへっても平気なんだよな。連中には心配事はないんだ。子育ての苦労なんかないんだ。」
あきれたもんだというようにデイビッドは頭を振った。

(中略)

「もし黒人といっしょに仕事するのが我慢ならないのなら、すでに人手は充分足りてるから、きみたちのほうこそ出ていってくれ。わかったかね」


また、デイビッドには黒人の友人、ローレンスがいますが、ある日の日記にはこんなことを書いています。

「ローレンスは大恐慌で生活が苦しいといったことがない。黒人にとっては以前と大して変わりがないのだろう。 1933年9月10日」



さて、話をもどします。本作のあらすじはと言えば、前作の不幸な出来事をひきずったパーキン夫妻。すれ違いの毎日から、メアリーアンが家を出る事を決意。残されたデイビッドのもとには、かつて自分を捨てて出ていった母の手紙が。そして、母の消息を探す旅に出たり、若くてきれいなディアドラに心奪われそうになったり、30年来の友人で黒人のローレンスにかつて白人の妻やその間に娘ができていたり、と、様々なドラマが展開されていきます。

カテゴリーを「泣ける本」にしましたが、前作を読まれて、その背景を知った上でのセット読みをお勧めします。心あたたまるやさしい涙が流れることでしょう。



最後に途中でドキッとした言葉を。

ひとは死んではじめて最大の花束を贈られるということが、われわれ人間の愚かさをあらわしている。 デイビッド・パーキンの日記より 1934年1月13日」

先日も葬儀を経験しただけに、心にささりました。やはり、日々感謝し、言葉や態度で相手に伝える事をしなければ、あとには後悔しか残らないのかもしれません。

本当の愛に気づかずに、なぜ人は傷付けあうのだろう?
想いを口にできぬまま、人はなぜ別れてしまうのだろう?


帯に書かれたこのことば。

全米600万部はダテじゃない。


今日も最後までありがとうございました。



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※ちなみに、2001年に東山紀之さんや黒木瞳さんがこの「クリスマスボックス」シリーズをミュージカルでされていたそうですね。全然知りませんでしたが、見たかったですね。


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