3月16日の毎日放送「情熱大陸」では、バングラデシュで孤軍奮闘する女性起業家でバッグデザイナーの山口絵理子さんが紹介されていました。
女性起業家、社長、というイメージと違い、笑顔の素敵なごく普通の26歳の女性に見えました。しかし、内に秘めたその熱い情熱。
彼女の会社「マザーハウス」では、天然繊維のジュートと呼ばれる素材で作られたバッグを販売しています。
ジュートとは、コーヒー豆や穀物を運ぶときに使う麻袋の材料に使われる素材で、インドやバングラデシュがその9割を生産しているというもので、二酸化炭素を通常の植物の5〜6倍も吸収し、燃やしても有毒ガスをまったく出さず、土に埋めるとバクテリアによって分解されてしまうという、まさにエコロジーな素材。
(参考:
トレンドMouRaセレクション)
そんなエコバッグを現地バングラデシュで企画・製造しているのですが、彼女は単に自分のビジネスとしてバングラデシュに会社を立ち上げたわけではありません。
バングラデシュはアジア最貧国と呼ばれるほどの発展途上国。貧富の格差もひどく、治安も悪く、腐敗にまみれた現状。若い女性としても、又、異邦人としても常に危険が伴います。
そんな危険な地で何故彼女は頑張るのか。かつて彼女は、国際機関の開発支援業務を行っていた事があり、エリート達が机上で援助資金の配分を決めている事に疑問を感じ、現地の本当に困っている人達の現実を見続けため直接現場を知ろうとします。
そして、現地には援助されるのが当たり前という価値観が根付き、物乞いが増える中、
「必要なのは施しではなく、先進国との対等な関係」
との理念の下、誰もが仕事による生き甲斐や報酬を得られる事を知ってもらうという自立支援のビジネスを起こしました。
そんな山口絵理子さん。プロフィールでは慶応義塾大学卒、バングラデシュBRAC大学院修士課程終了となっていて、「そう言う彼女もエリートやん!」とお思いの方もおられるかもしれませんが、小学校時代は陰湿なイジメにあい、ぐれたりもしながら、強くなりたくて柔道を始め、進学した高校は柔道の強い工業高校。そこでも悪戦苦闘しながら、全日本女子柔道ジュニアオリンピックカップでは7位の成績にまで。
しかし、自分にはまだまだ出来る事が他にもあると一念発起し偏差値40から慶応大学へ。そこであの竹中平蔵ゼミに出会い途上国援助に目覚めるという、波乱万丈の人生。
そんな彼女が理念をもって会社設立したのが、若干23歳。
あれから3年。彼女の提携している工場では、最初4人だった工員さんも、今では8倍の32人にまで。
彼女のたった一歩踏み出した勇気が、スタッフも含め現地で30人ほどの新たな雇用と生きがいを生み出しています。
「
目の前にある魚を与えるのではなく、その釣り方を教えよ」
自分でも何かが出来る、人の役にたっている。必要とされている。そう思ってプライドを持って前進してほしいと願う彼女。
マザーテレサもかつてこう言っています。
「もっとも恐ろしい貧困は
孤独と、必要とされていないないと感じることです」
・・・テレビを見ながら拍手をしたのは初めてでした。
自分には一体何が出来るのか・・・
そんな事を改めて考えさせられました。
※楽天ブックスはこちら⇒
裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記
※オンライン書店bk1はこちら⇒
裸でも生きる 講談社BIZ
今日も大きな学びがありました。山口絵理子さんをはじめ、情熱大陸スタッフのみなさま。ありがとうございました。また、訪問して頂き、最後までお読み頂いた方も、ありがとうございました。
情熱大陸のHP→http://www.mbs.jp/jounetsu/2008/03_16.shtml
その他の本ブログ
まだまだ本ブログ⇒
※ちなみにこんなバッグです。放送以降サイトのアクセスは凄い事になっているみたいです。(画像クリックで楽天市場の取り扱いショップに行けます)