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カモメに飛ぶことを教えた猫

ルイス セプルベダ
白水社
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(1998-05)
Amazonランキング: 90029位
Amazonおすすめ度:
やさしい、作品
読書の楽しみを教えてくれた一冊。
うーん・・・
最近ブログの世界でも「ねこ鍋」さんを筆頭にかわいい猫たちが賑わっています。かつて私が子供だった頃は、長靴をはいた猫が世界一周するというアニメが流行ったこともあります。今回の猫は、何と、自分は飛べないにもかかわらず、カモメに飛ぶことを教える為に悪戦苦闘するお話です。

ある日、港町に住む猫のゾルバのもとに、海に流れ出た原油に羽根を汚され、瀕死のカモメがやってきます。男気のあるゾルバは何とか助けようと必死になりますが、それも叶わず、間際にカモメから3つのお願いをされます。今から最後の力を振り絞って卵を産むけれど、その卵を食べないこと。そして、その卵からヒナが生まれるまで面倒をみること。そして、そのひなに飛ぶことを教えること。

この難題に港の猫の長老的存在の「大佐」や「秘書」、百科事典が愛読書の「博士」や「向かい風」といった猫の仲間達と共にひなの「フォルトゥナータ」を懸命に育てます。

また、このゾルバが何ともかっこいい。ちんぴらの野良猫に対しては前足から長い爪を一本伸ばして顔面に迫り
「どうだ、気に入ったか、これが?
同じモデルがあと9本ある。試してみたいか?」
と低い声ですごんでみたり、二度とひなを狙わないように実際にとびかかってみたり。イメージしたのはジブリの「紅の豚」の声優の人でしょうか。

しかし、チンパンジーに「猫達はお前を太らせて食べるつもり」と言われて落ち込んでいるひなにむかって、
「ぼくたちはきみの、友だちだ、家族だと思っている。そのうえきみはぼくたちに、誇らしい気持ちでいっぱいになるようなことをひとつ、教えてくれた。きみのおかげでぼくたちは、自分と違っている者を認め、尊重し、愛することを、知ったんだ
といいます。

異なる者どうしの愛」。周りを海に囲まれて、ほぼ単独民族で独自の文化圏をもつ日本ではなかなかピンと来ないかもしれませんが、作者のルイスは南米チリに生まれ、アジェンデ人民連合政権がピノチェトのクーデターによって倒れた際には投獄された後、各地を旅しドイツを拠点にルポやグリーンピース運動などに参加し主義主張の違いや文化の違い、人種の違いを様々見て来て、どうすれば「異なるものどうし」が心を通わせることが出来るのかと言う事で本書もかかれているのだそうです。

そして、最後にひなの「フォルトゥナータ」が幾度の失敗を乗り越えて大空を舞った時にゾルバはこう言います。

飛ぶことができるのは、心の底からそうしたいと願った者が、全力で挑戦したときだけだ


子供むけの本ですのでさらっと読めて、大人には物足りないかもしれませんが、ふとした時になにかのきっかけをあたえてくれるかもしれません。


ありがとうございました。

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失礼します。      
    
 「イジメ撲滅」のご案内
       ご笑覧ください。
     http://www4.ocn.ne.jp/~kokoro/    
Comment by あだち @ 2008/07/02 9:16 PM
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