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がぶり!サントリー マンガで3時間でわかる (アスカビジネス)

評価:
水島 愛一朗,つだ ゆみ,山田 正和
明日香出版社
¥ 1,365
(2004-07)
Amazonランキング: 73668位
戦後、高度経済成長をとげた経済大国、日本。しかし、1980年代初頭の首都、東京にはコンサートホールがありませんでした。そこで立ち上がったのが、文化事業を積極的に行なっていたサントリーが1986年、故ヘルベルト・フォン・カラヤンの助言により、ベルリン・フィルハーモニーを模したワインヤード型のコンサートホール「サントリーホール」が完成します。

ワインヤード型ホールとは、ステージを中心に、段々と上の方に広がっていく形がぶどう畑に似ている所こう呼ばれていて、奏者と聴衆が一体となって音楽をつくっていけるという利点のあるホールだそうです。

ぶどうといえば、サントリーの事業基礎となったのが、「赤玉ポートワイン」です。明治40年に発売したこの国産ワイン。赤玉は日本の日の丸、太陽を意味し、後の社名サントリーのサン(=太陽)に受け継がれていきます。そしてその後はウイスキーやビール、発泡酒などの酒類全般から、烏龍茶やDAKARA、BOSSなどの清涼飲料水、そして前回記載させて頂いた青い薔薇など、サントリーは様々な事業を行なっている関西を代表する企業です。

サントリーホールやサントリー美術館に代表されるように、サントリーは文化、芸術の非営利部門にも財団を設立して貢献しています。これは、サントリーの経営哲学「利益三分主義」に基づくものです。創業者の故・鳥井信治郎さんによれば、

「商売による利益は人様のおかげだ。三分の一を社会に還元し、三分の一はお客様や得意先にサービスとして返す。そして、残りの三分の一を事業資金とする」
のだそうです。

又、お酒自身、「単に酔う為のものでなく、人々を幸福にするもの」という価値観もあった事や、母の教えに陰徳というものがあったそうです。

陰徳あれば陽報あり」・・・人の見えない所で徳を積めば、いつかそれが自分にいいことになって還ってくるという考え方

そして、そういった考え方から、直接利益に結びつかない文化事業がリストラされたり、「やってみなはれ」という言葉に代表される自由な社風を失わない為や、お酒という長期的な事業を本業としている事からも、株主に左右されずに済むように株式の公開をされていません。

自由な社風からこれまでにも世間を驚かせてきた広告展開をするサントリー。その宣伝部からは、後の芥川賞作家の開高健さん、直木賞作家の山口瞳さんや「アンクルトリス」でおなじみイラストレーターの柳原良平さんらがおられます。又、現在では週刊新潮で「窓際OLトホホな朝 ウフフな夜」というエッセイを連載中の斉藤由香さんなども社員として働いておられます。

昨日のブログに書いた茂木健一郎さんの著書「すべては音楽から生まれる」に

私にとって「耳をすます」ことと、「新しいことを”発想する”ことは、同義である。
(中略)
「耳をすます」とは、「私は○○を感じる」という主観性をさらに奥底まで掘り下げていく手段なのだ、ということである。
(中略)
木々の合間を歩きながら風のざわめきや鳥の鳴き声を聴いていると、心の中に、喜びの回路が広がり始める。さらに、耳をすます。すると、えもいわれぬ解放感が生まれてくる。これこそ、心が脳と言う空間的限定から解放される過程であり、<私>という個が「今、ここ」という限定を超え、普遍への道に舞い降りた瞬間だといえる。
新しい発想が生まれるのは、こんな時だ。
新しい感動が生まれるのも、こんな時だ。

というのがありました。

サントリーにも「美感遊創」という考え方があります。
「美しいものを見たり聞いたりして感動し、感性を豊かにすることが創造性を高める。そのためには遊び心も必要だ」
ということで、夜10時以降の残業は原則禁止。会社主催のスポーツや文化活動への積極的な参加や、悪しき官僚主義ではなく、やんちゃで尖った奇人変人たれ、という方針です。

身近に商品には接していても、中々創業から今日まで受け継がれている精神や社風などは案外知らない事が多いです。一般知識や就職活動に便利なシリーズですので、一読をお勧めします。

今日も最後までお読み頂いた方。ありがとうございました。

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